第3回 「近藤マイク誠賞」受賞者決定
ホテルグランヴィア京都のウエディング・プランナー 中本陽子氏が受賞
  32歳で他界したホテリエ、近藤マイク誠氏の志を継承するために作られた賞である「近藤マイク誠賞」の第三回受賞者が決定した。受賞したのは、ホテルグランヴィア京都でウエディング・プランナーを担当している中本陽子氏(27歳)。

  三回目を迎える本賞にはホテル業界から13人の応募があり、論文・書類審査で5人が残り、5月19日に最終選考面接会が行なわれ、同日、受賞が決定した。

  オータパブリケイションズは、天才ホテリエと呼ばれ、世界的に名前を知られ、32歳で夭折した日本人ホテリエ、近藤マイク誠氏を記念し、将来のホテル業界を担う人材の発掘、育成を目的とした「近藤マイク誠基金」を2005年に創設した。「“ホテル文化を残すのだ”と熱く語っていた、息子マイクの志を後世につなげることができればとの思いから、親として資金を提供させていただき、それを日本のホテル文化向上のために役立ててほしい」。弊社は、このような意図で近藤マイク誠氏のご両親より資金提供を受け、その運営の一環として、ホテル業界の人材育成を目的とした「近藤マイク誠賞」を設立した。

  今回はその3回目。
  一昨年行なった第1回は、ホテルニューオータニ「トゥールダルジャン」でソムリエとして活躍する森覚氏が受賞し、3カ月間の留学と、オーストラリア・シドニーのホテルで約2ヵ月間のインターンシップを経験した。昨年行なった第2回は、該当者なしという結果であった。

  選考は、一次の論文審査と二次の面接会で受賞者一人を決定する。
  論文審査は事務局が担当し、ホテル業界の重鎮が顔をそろえる面接会に残しても堂々と自分の意見を言え、主張もしっかりしているかどうかを判断。二次の面接会が最終選考会であるが、ここでは、7人の面接官が応募者一人につき30分面接し、ポテンシャルやモチベーション、業界への貢献などを見て点数を付けた。

  最終選考では、(株)ロイヤルパークホテル 代表取締役会長 兼 日本ホテル協会会長 中村 裕氏、日本スターウッド・ホテル(株)日本・韓国・グアム地区統括社長 ロタ・ペール氏、(財)日本ホテル教育センター 専務理事 事務局長 校長 石塚 勉氏、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー日本支社長 高野 登氏、近藤治義氏・典子氏(近藤マイク誠氏の父母)、弊社(株)オータパブリケイションズ 代表取締役社長 太田 進が選考委員として応募者5人を面接した。

  応募者5人は、皆優れたプレゼンテーションを見せたが、僅差で最高点を獲得した中本陽子氏が選ばれた。
  中本氏は「ブライダル部門での経験も生かしつつ、ホテルビジネスを幅広く学び直したい。そしてホテルの総合力を引き出し、その可能性を育ててホテル文化を伝えていける人材となりたい」と語った。また、京都・滋賀の若手ブライダル担当者が集いブライダル業界活性化を目指す組織「Change Bridal!」設立にも携わった氏のパッションと行動力が選考委員に高く評価された。 授賞式は近藤マイク誠氏の5回目の命日にあたる今年9月10日に予定している。

  また、中本氏には、100万円相当の海外ホテルマネジメント学校留学(ICHM、オーストラリア・アデレード)とホテルインターンシップが授与される。

【入選者】(50音順)
石榑(いしぐれ) 将也氏
ヒルトン名古屋 ベルサービス

中村 恒志氏
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 経理財務部主任(森観光トラストより出向)

福永 健司氏
ウェスティン東京 経理・購買・IT統括部長

星川 麗華氏
京都第2タワーホテル 営業第一課フロント係リーダー

【中本 陽子さんのプロフィール】
1980年4月1日大阪生まれ。
2001年1月カナダ・バンクーバーのTourism Training Instituteにおいてディプロマを取得。03年3月関西学院大学総合政策学部卒業後、株式会社ジェイアール西日本ホテル開発に入社。ホテルグランヴィア京都宴会部宴会予約グループに配属。04年2月よりブライダルプロポーザーとして婚礼担当となり現在に至る。07年4月より運営戦略室マーケティンググループ兼務。



  私は、ブライダルの仕事をしたくてホテルに入社し、希望通り、
ブライダルの仕事をメインにしてきました。ただ、それ以外でも
ホテルの周年プロジェクトやネット関連の業務をしたり、他ホテル
の方々との交流の機会を与えていただいたりするうちに、ホテル
全体にかかわるような仕事に興味を持ち始めました。 また、学生のときに留学していたこともあって、海外でホテルマネジメントを
勉強すればホテル全体のビジネスを体系的にとらえられるのではないか、という気持ちも持ち始めたんです。
 
  今回、この賞の話を聞いたときに、まず論文を書きたいと思いました。論文を書くことで自分の今の考えをまとめ、今後の方向を見つめ直してみたいと思ったのです。そして『鯨を釣る男』をはじめ、ホテル経営や人材開発の本などを改めて読むうちに、世界レベルのマネジメントの勉強をしたいという思いが強くなりました。正直、近藤マイク誠さんの偉大さを本で知ったり、第1回の受賞者である森覚さんのインタビュー記事や研修レポートを読んだりして、「本賞は自分には高根の花であり雲をつかむような機会」だと思っていました。面接官もホテル業界のトップの方々ばかりで、どれだけ緊張するのか不安でもありました。ただ、あまりにすごすぎるために、背伸びをしても無理だろう、それであれば自然体で私らしく望むしかないと開き直りました。ソファで半円を描くように囲まれた面接の部屋に入ったときはたじろぎましたが、質問が進むにつれ、面接官の方々のおかげで和やかな空気になっていくのを感じリラックスしていくことができました。


  今回応募したことによって、ホテルで働くということが人間として成長できる場所であることを改めて認識しました。そして、私自身が成長するためにホテルでやっていきたいことを見直すきっかけになりました。 たった半年、されど半年、今までホテルの中でもブライダルの仕事がほとんどでしたが、その半年間で何を、どのように吸収するかによって私がホテルに対して果たせる仕事の幅が増え、厚みも増してくる、その始まりになるような気がします。
  受賞を聞いた瞬間は驚くばかりでした。私でいいのだろうか、という気持ちもありますが、今は近藤マイクさんやご両親をはじめ、この賞に携わっている方々やホテリエを目指す方々に対して恥ずかしくないよう、多くのことを吸収していきたいと思っています。

  オーストラリアのホテルマネジメント学校では、ビジネスコミュニケーションなどの基本から、マーケティングやマネジメント、ブランディングなどホテル全体の戦略に携わることを学びたいです。全体的な視点を学ぶことで、日ごろの現場での業務に対する姿勢や方向性もより明確に、具体的になると思います。 グローバルホテルチェーンは、どのホテルにおいても企業理念が明確に示されていると聞いています。ホテルインターンシップでは、それが、どのようにホテル全体に浸透されて、現場でどのように実践されているのかを見てきたいですね。

   


  ホテルには多くの人が集まります。また、仕事の内容としても宴会、宿泊、レストラン、営業、マーケティング、総務など、さまざまな仕事があります。何をするにしても人と接するということが基本にあります。それは仕事を離れても同じで、生活をする限り、人とのコミュニケーションを必要とします。どれだけ充実した時間を過ごすか、ということは私にとって、どのように周りの人々と関係を築いていくかということでもあります。ホテルという場所で、大局的な視点を持ちながら仕事ができるようになりたい、人間関係の幅や厚みも増していけるようになりたいと思っています。 例えば、何かの記念日やお祝い、結婚披露宴といった特別な日に、自然とホテルへ足が向くように、多くの人々にとって居心地の良い、特別な場所として、また生活の一部としてホテルがそばにあるようになってほしい。どれだけ近代的な造りを取り入れ、ハードや経営手法に海外のものを取り入れても、ソフトや空間、企画のどこかに、日本文化に根差したものを持ったホテルづくりに貢献していきたいですね。



第1回「近藤マイク誠賞」受賞者決定

ホテルニューオータニ「トゥールダルジャン」の 森 覚 氏 が受賞
 
本アワード「近藤マイク誠賞」の最終選考が5月8日に行なわれ、ホテルニューオータニ「トゥールダルジャン」でソムリエとして活躍している森覚氏が見事受賞しました。

論文による書類選考通過者4人を選考委員が面接、「ホテリエを小学生のあこがれの職業にしていきたい」と大志を語り、見事、第1回の受賞者となりました。

第1回の今年は、10人のホテル業界人から応募があり、書類選考を行ないました。
その結果、4人が通過、その4人を5月8日に最終選考として面接をいたしました。 故・近藤氏のご両親のほか、ホテル業界の重鎮である面接官が、一人30分間の面接を行ない、「キャリアパスをどう描いているか」、「自身はどう業界に貢献できると考えるか」といった質問をし、応募者は「業界に貢献していきたい」という熱い気持ちを伝えてくれました。

評価方法は、論文の評価、人格、情熱、ポテンシャル、業界の発展につながるかどうかといった基準項目で、各選考委員が得点を付け、総合得点が最も高い人を選ぶというスタイルをとりました。 森覚氏が選ばれた理由としては、総合得点で1位だったことはもちろん、「自分が60歳になるまでに、ホテリエという職業が、小学生が選ぶ人気職業ランキングのトップ10に入るようにしたい」と語った熱い言葉が、業界の大先輩たちの琴線に触れたようでした。

【入選者】
相模鉄道(株)業務推進室 主事 走内慎一氏
論文テーマ「惜別は、希望の扉」

ヒルトン東京 フロント 佐藤芳美さん
論文テーマ「ホテルフロントにおける仕事の進捗状況システムと人事トレーニングシステムの問題点と改善案」

ザ・リッツ・カールトン・グランド・ケイマン 三浦知子さん
論文テーマ「日系ホテルが『2007年問題』のためにやらなくてはいけないこと」

【選考委員】(順不同)
(株)ロイヤルパークホテル 代表取締役社長 兼 日本ホテル協会会長 中村 裕氏

日本スターウッド・ホテル(株) 代表取締役社長 平尾彰士氏

(財)日本ホテル教育センター  専務理事 事務局長 校長 石塚 勉氏

ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー日本支社 支社長 高野 登氏

近藤治義氏(近藤マイク誠氏の父)

近藤典子氏(近藤マイク誠氏の母)

(株)オータパブリケイションズ 代表取締役社長 太田 進
 
第1回 受賞者 森覚氏インタビュー

私は、ソムリエという仕事にこれまで熱中してきました。ただ、私は以前からソムリエだけではなく、ホテリエとしてホテルをマネジメントする立場になりたいと思っていましたから、そのための勉強や経験が必要でした。30歳まではソムリエとして働いても、それ以降はホテリエとして組織をマネージするような方向性にしていかなければと思っていたんです。応募の最大の理由はそこにあります。 それともう一つ。たった一度ですが、マイク近藤さんとお話をさせていただいたことがありまして、そのときに「ソムリエって、楽しい? ホテリエも面白いですよ」と言われたことがあって、それが妙に心に残っていたんです。ですので、今回もこのアワードがもしマイク近藤さんのものでなければ応募はしていませんでしたね。何かの縁を感じます。
  オーストラリアのホテルマネジメント学校で学びたいのは、人材開発とFBです。学問としてのFBを学び、FBにおいてのスペシャリストになりたいと思っています。ホテルのマネジメントだけをする総支配人ではなく、忙しいときは自分も現場に入って率先してサービスをやったり、お客さまを誘導したり、指揮官になったりできる、いわば「FBのスペシャリストであるホテル総支配人」を目指したいと思っています。
森覚氏のプロフィール
1977年11月14日東京生まれ。2000年3月日本大学法学部卒業後、パークハイアット東京に入社、ニューヨークグリル&バーに配属。03年3月料飲部バンケットサービス・ソムリエに異動。04年ホテルニューオータニのトゥールダルジャン・ソムリエに就任、現在に至る。第3回コミ・ソムリエコンクール最優秀賞、第4回ロワールワインソムリエコンクール優勝、第3回ジャルックス・ワインアワード優勝など、ソムリエコンクールで数々の賞を受賞している。

インターンシップでは、むしろこれまでやったことのない宿泊部門を経験してみたいですね。 マイク近藤さんは、大和魂という言葉をよく使いますよね。私も海外に出ると、日本人ってなんなんだろう、日本人として世界で何ができるのだろうって真剣に考えます。今回、それを深く考えてみたいですね。そして、マイク近藤さんの志を引き継いで、将来、大和魂の込められたホテルをつくってみたいですね。

森覚氏 Webインタビュー from Adelaide. AU






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